SHIGOIGA委員会

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新書を3冊読んで考えた、私の人口減少問題に対するスタンス

ここ半月ほどで人口減少というテーマにまつわる新書を3冊読み、考えたことを記事にまとめてきた。

 

 

読んだのはこちらの三冊。

 

限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択 (朝日新書)

限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択 (朝日新書)

 

 

 

 書いた記事がこちら。

 

sinsyo.hatenadiary.jp

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 3冊読んで、少子高齢化に伴う人口減少という問題に対する私の考えをまとめてみることにした。

この記事を最後に、この話題は終わりにする。

 

 

 

●人口減少の何が問題か

前回の記事でも書いたのだけど、人口減少に伴って起きる問題は三つある。

 

 

1.人手不足

 既に人手不足は社会問題となっている。

今回読んだ本の中でも「限界国家」では、海外からの観光客が増えているにも関わらず人手不足でホテルが全室受け入れできない事態が生じていることを紹介している。

城崎温泉では、海外からの客は増えているのに、従業員不足のせいで4割以上の旅館が部屋が空いているのに予約を受けらっれない状況が発生しているらしい。

今後、生産年齢人口(15~64歳)がますます減ることで、より社会に深刻な影響を及ぼすことになる。

水道やガスのような社会の基盤となるインフラ整備を十分に行えない。

医療に携わる人が減って病院に行っても満足な治療が行えない。

農業をする人が減って国内で採れる食べ物の量が減っていく。

私たちの暮らしが大きく壊れていく危険性がある。

 

2.社会活力の低下

ちょっと漠然としたまとめ方になってしまった。

例えば過疎化の問題のことである。

このままだと将来、人が暮らす地域がぐんと減っていく。

過疎地に住む人を近くの都市に集めて、人が住む地域と住まない地域を分ければいいじゃないか、という気もする。

だけど、人の住む地域が減るということは、その地域に根付いていた文化も死滅する。

「限界国家」にはこうある。

日本の文化は京都や奈良にあるのではない。日本の文化のすばらしさは地域ごとに異なる多様性にこそ存在する。山を一つ越えると異なるお祭り、伝統行事、風習があるという豊穣さ。それらは、数百、数千年の年月をかけて引き継がれた物で、誇るべき文化である。しかし、人々が村からいなくなればそれは地上から永遠に失われてしまうだろう。 

 文化や多様性が失われるということは、それだけ日本はつまらない国になってしまうということ。

それはやっぱり、できる限り避けなければいけない。

 

3.社会保障

これが一番深刻かもしれない。

老人が増えて若者が減ることで、医療・介護・年金の負担は年を追うごとに重くなっていく。

若者は稼ぎの大半を社会保障費に取られ、老人は身体が弱ってきているのに十分なサービスを受けられない。

こんな国に移民は来てくれないだろうし、それどころか優秀な若者ほど海外へ去ってしまう。

 

結論。

人口減少はとんでもなくヤバい。

一刻も早く対策を練らなければいけない。

 

 

 

●じゃあどんな対策をすればいいの?

三冊とも、人口減少問題をどう乗り切るか、それぞれ提案をしている。

まず「未来の年表」では「日本を救う中の処方箋」と題して様々なアイディアを出しているけれど、私には魅力的な案には思えなかった。

現実的ではないものや、効果があるかどうか疑わしいものが大半だった。

「武器としての人口減社会」では、人工知能の活用や、雇用の流動化を前提とした労働生産性の向上やイノベーションを生み出すことで人が減ってもまだまだ日本は成長できることを説いている。

大部分は納得のいく主張だったけれど、上に掲げた三つの問題全てを解消することはできない。

そして「限界国家」による、移民を受け入れろ、という主張。

私はこの案に乗っかることにした。

本書を読むまで、どちらかというと移民には後ろ向きだった。

理由は三つ。

ヘイトスピーチなんてやってる日本人が外国人と共生なんてできるのか、最近のヨーロッパのようにいろいろなトラブルが起こるのではないか、そして何だか安易すぎるかな、という漠然とした理由の三つ。

その疑問も、本書を読んで大部分が解消された。

特に、日本は宗教対立が生まれないというのが大きい。

キリストVSイスラムという構図は生まれようがないし、移民が多いことが想定される東南アジアは親日国が多く、国民は穏健なイスラム教徒だから、ヨーロッパに比べれば共生できる可能性がかなり高い。

だから東南アジアの人を優先的に受け入れよう、と提言している。

そういう操作が可能なのであれば、心配するような混乱は起こらなさそうだ。

移民、という言葉から、どこからともなく大量の外国人がやってきて私たちの日常を破壊していく、といった曖昧な恐怖心を抱きがちだけど、決してそんなことはないのだとわかった。

移民という言葉が持つネガティブなイメージを取り払ってくれる本だった。

 

 

 

●単に頭数が増えるというだけじゃない、移民のいいところ

移民は、今までの日本にない文化や価値観を持ち込み、社会を活性化させてくれる。

以下は、以前の記事で書いた文章。

移民が入ることで他の被雇用者の賃金が上昇するというデータがある。

 移民は自国の低賃金労働者と競合するより、むしろ補完し合う関係になることが多い。

 例えば日本人があまり就きたがらない介護の仕事に就いたり、日本人以上に伝統工芸・伝統文化に惹かれる外国人が文化の継承者として仕事に就くこともある。

 また、移民が入ってくると、自国民は高度な言語能力を必要とする仕事や、付加価値の高い仕事に移る傾向がある。その結果、新たな仕事が創り出され、賃金も上昇していく。

実際、アメリカのIT産業は移民が中心だ。

アップル・ヤフー・グーグル・Amazonフェイスブック、みんな創業者は移民なんだそうだ。

というわけで、これで最初に述べた三つの問題、人手不足・社会活力の低下・社会保障、すべてが解決する!

とまで言い切る自信はないけれど、大きく改善されることは間違いがない。

移民はメリットが大きく、デメリットはどうやら少ないらしい、ということで、今よりももっと移民を受け入れるべきだ、と私は考える。

そしてやるのなら、できるだけ早く実行に移すべきだ。

人口が減れば減るほど、日本の魅力はなくなり、外国人はわざわざ移住しようと思わなくなるかもしれない。

手遅れになる前に。

私たちの暮らしを守るために。

 

 

 

●移民だけに頼ってはいけない

ただ、それだけで問題が解決するとは思わない。

日本が希望する通りに都合よく移民がたくさん来てくれるかどうかがわからないからだ(私がわかってないだけで、実際には大量に来てくれるものなのかもしれない。

だから、「武器としての人口減社会」にあったような生産性の向上というものには真剣に取り組むべきだ(だって本来人口が増えようが減ろうが生産性を高めるのは大事なことだから)。

それに、子どもを産むための政策だって必要(これも人口減には関係なく、子どもを産む意思のある人は産みたいだけ産めるような社会を目指すべきだろうから)。

というわけで、最後はなぜか怒濤の括弧書きが続いてしまったけれど、「人口減少はとんでもなくヤバい事態だから、移民の受け入れを中心としてあらゆる方策でこの難題を乗り切りましょう」というのが現時点での結論である。

以上で、半月にわたって書き続けてきた人口減少をテーマにした記事を終わります。

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