SHIGOIGA委員会

仕事<趣味の30代男性。本の話題を中心に、書きたいことを自由に書いていきます。

「キングオブコント2017」審査員の点数を眺めながら感想をまとめてみた

10月1日に行われた「キングオブコント2017」は、かまいたちの優勝という結果に終わりました。

 今回の記事では、各審査員が出場者それぞれにどんな点数をつけたのかを表にまとめ、それを見ながら大会を振り返りたいと思います。

 

ファーストステージ(赤字は各審査員の最高得点)

コンビ・トリオ名 設楽 日村 三村 大竹 松本 合計 順位
わらふぢなるお 87 89 88 87 83 434
ジャングルポケット 93 92 93 89 85 452
かまいたち 90 93 95 93 93 464
アンガールズ 89 90 92 92 89 452
パーパー 85 86 85 85 80 421
さらば青春の光 90 93 87 90 95 455
にゃんこスター 90 89 97 93 97 466
アキナ 90 82 83 87 90 432
GAG少年楽団 86 85 82 84 82 419 10
ゾフィー 85 85 82 86 84 422

 

 

ファイナルステージ(ファーストステージの上位五組が進出)

コンビ・トリオ名 設楽 日村 三村 大竹 松本 合計 総合得点 順位
アンガールズ 93 93 87 89 90 452 904
ジャングルポケット 90 92 90 93 93 458 910
さらば青春の光 95 97 92 91 92 467 922
かまいたち 94 96 95 97 96 478 942
にゃんこスター 90 92 92 94 94 462 928

 

 

にゃんこスターが流れを変えた

というわけで、優勝こそかまいたちでしたが、何よりもまず触れなければいけないのがにゃんこスターでしょう。

結成5ヶ月、男女コンビ、所属事務所なし、と、とにかく異例ずくめのコンビでどんなネタをするのか期待と不安を抱きながら見ていたのですが、破壊力のあるぶっ飛んだネタで見ている間笑いが止まりませんでした。

あまりにも規格外なネタだったためどんな点がつくのかまったく予測できませんでしたが、審査員も相当悩んでいる様子でした。実際、点数は割れましたね。日村さんは89点と全体の5位評価でしかなかったし、97点をつけた松本さんも審査中は迷っている様子でした。

そして、にゃんこスターが会場に与えた衝撃が、この後にネタを控えていた芸人たちの運命を左右しました。

にゃんこスター後の三組、アキナ・GAG少年楽団・ゾフィー、全員がファーストステージで敗退。

大竹さんが発言された通り、にゃんこスターの衝撃の余韻が強すぎて、次のコンビのネタを見る心の準備が整っていないまま番組が進行していった気がします。

そして残り三組のネタは、にゃんこスターの破天荒ぶりに比べれば、どこかこぢんまりとした出来になっていた。

アキナの新しい試みも、にゃんこスターに比べたら小手先の工夫という印象を受けてしまうし、正統派コントのGAG少年楽団も、他の番組で見たらきっと楽しく笑えたはずなのに、にゃんこスターという異形のコンビを見た後ではおとなしいネタとしか思えなかった。

 

 

にゃんこスターが何より凄いと思ったのは、二本目のネタも点数が高かったことです。

二本目のネタ、小道具・振り付け・曲を少し変えただけで、やってることはまったく一緒なんですよね。

M-1グランプリでは、過去にパンクブーブージャルジャルが二本目のネタで一本目と同じようなネタを披露してしまい、一回戦が一位通過だったのに最終決戦では最下位に終わったことがありました。

だからにゃんこスターの二本目の冒頭でフラフープを持ってきた時点で、僕は低得点を確信したんです。

同じこと二度やってるようじゃプロはいい評価をしないだろう。

引き出しの少ないコンビをチャンピオンにするわけにはいかないだろう。

だけどなんと、二本目の点数も高かった。ファイナルステージだけの順位を見ると、五組中二位となっています。

なぜなのか。

実は僕は、二本目のネタを見ながら、「終わったな」と思うと同時に、「またこのネタを見られて嬉しい!」と喜んでもいました。

一本目を見てから一時間程度経っていたのに、まだあのネタの余韻が頭の中に残っていた。あのメチャクチャな世界にもう一度連れて行ってほしいと期待していた。

だから一本目ほどではないにしろ、かなり笑えたんですよね。

もしかしたら審査員もそれに似た思いがあったんじゃないだろうか、と僕は想像しています。

ファーストステージでにゃんこスターを一位評価した三村さん・大竹さん・松本さんの全員が、ファイナルステージの際には二位に推しています。

三村さんは一本目の採点後に「今のネタを家に帰ってもう一回見たい」とコメントされていました。その願いが家に帰るまでもなく果たされた。その喜びが、一本目と同じことをやるという芸のなさを見せながらも高得点に繋がったのではないでしょうか。

それだけ、一本目のネタの吸引力が凄かった、ということ。

一位になったファーストステージより、ファイナルステージで二位になったことの方が、にゃんこスターの凄さを物語っています。

 

 

 バナナマンは仲良し

にゃんこスターについて語りすぎてしまいました。

改めて順位表を貼ります。

 

ファーストステージ(赤字は各審査員の最高得点)

コンビ・トリオ名 設楽 日村 三村 大竹 松本 合計 順位
わらふぢなるお 87 89 88 87 83 434
ジャングルポケット 93 92 93 89 85 452
かまいたち 90 93 95 93 93 464
アンガールズ 89 90 92 92 89 452
パーパー 85 86 85 85 80 421
さらば青春の光 90 93 87 90 95 455
にゃんこスター 90 89 97 93 97 466
アキナ 90 82 83 87 90 432
GAG少年楽団 86 85 82 84 82 419 10
ゾフィー 85 85 82 86 84 422

 

 

ファイナルステージ(ファーストステージの上位五組が進出)

コンビ・トリオ名 設楽 日村 三村 大竹 松本 合計 総合得点 順位
アンガールズ 93 93 87 89 90 452 904
ジャングルポケット 90 92 90 93 93 458 910
さらば青春の光 95 97 92 91 92 467 922
かまいたち 94 96 95 97 96 478 942
にゃんこスター 90 92 92 94 94 462 928

 

 

 

にゃんこスターのネタを見るまで、僕の中ではジャングルポケットが圧倒的に抜きんでていました。

開閉を繰り返すエレベーター前を舞台にしたネタは、斉藤さんの表情の豊かさを生かした上手いネタだなと感じていました。ドアが開いたときに斉藤さんはどんな顔をしているのか、楽しみでしょうがなかった。

だけど順位は4位。特に松本さんの点数が低かったことはショックでした。

だけど今回改めて確認すると、設楽さんの点数は一位なんですよね。かまいたちにゃんこスターを3点も離している。かなり高い評価です。

さらによく見ると相方の日村さんも92点で、一位とは1点差の三位評価をつけている。

やはりコンビは感性が似ているということなのか、バナナマンの点数のつけ方、そっくりなんですよね。

特にファイナルステージは、二人とも一位さらば青春の光 → 二位かまいたち → 三位アンガールズ → 四位がジャングルポケットにゃんこスター

四位が同点というところまで全く同じなのが凄い。

 

 

「リアリティ」のあるネタ

GAG少年楽団のネタに対して、三村さんが「こんなことって現実にあるのかな、と疑問に思って高い点を入れられなかった」という趣旨の発言をされていました。

GAG少年楽団のネタは「互いの行為に気づきながらも一線を踏み越えられない友達関係のまま還暦目前まで来てしまった男女三人組」という設定。

僕は「誰も勇気を出さないままそれまでの関係を維持し続けたらこんなことにもなるのかな」と思い面白く感じていたのですが、三村さん(恐らく他の審査員も)はそう捉えなかった。

僕は三村さんのコメントがすぐには腑に落ちませんでした。

確かに現実に存在するかと問われたら存在しないと思うけれど、「もし誰も告白しなければこんな未来もあり得る。それじゃダメなのか」と感じたんです。

もやもやしたまま番組を見続け、ファイナルステージのさらば青春の光のネタを見たところで、抱いていた疑問が氷解していました。

さらばのネタは「パワースポットで働いている警備員なのに、全然幸せじゃない」というもの。

なるほど、これは現実にいそうだ。

パワースポットで働いている警備員は現実に存在しているし、彼らが全員幸せだとはとても思えない。

日常に実際に存在する矛盾を捉えた、鋭い着眼点を持ったネタだったと思います。

GAGのネタ単体だけを見ると決して悪いとは思わないんだけど、さらばのこのネタを見てしまうと、確かに嘘くさく感じてしまいました。

 

 

最後に、一応かまいたちのことも

というわけで、かまいたちにはまったく触れないまま最後まで来てしまいました。

もちろん優勝に文句はありません。

特に一本目のネタは、「もう一人別の人がそこにいる体で演技をする」という漫才・コントのお約束を逆手に取った、いいアイディアのネタだったと思います。

かまいたちは漫才の印象が強かったけれど、去年今年の活躍で完全に僕の中ではコントの人になりました。

でも、優勝より二位の方が爆発的に売れる、という時折あるパターンに今回はなりそうですね。